AGA（男性型脱毛症）発症の原因は脱毛要因の重複

AGA（男性型脱毛症）とは、日本全国で1300万人近くが発症していると言われている頭髪脱毛症です。前頭部と頭頂部のどちらかから発症し、次第に髪が細く薄くなる特徴があります。

様々な要因の影響を受けてヘアサイクル（周毛期）の成長期が短くなる事が原因です。AGAとなる要因として男性ホルモンの影響がおおきいことがわかっています。

日本人成人男性の4.5人に1人がAGA（薄毛）

AGAの発症年齢は20代ではじまってしまう場合や50代を過ぎてからの場合もあり様々ですが、日本は世界的にも比較的に薄毛人口が多い統計になっています。この理由として、日本人の気質や生活環境が影響を与えている部分も指摘されています。

具体的には…

• 働き蜂的な国柄による食事の不規則化とストレス
• 技術進歩による利便性向上に伴う運動能力の低下
• 睡眠時間の減少

といった項目が、すべて髪の成長に関わるファクターであるという見方です。

しかし、同じような生活をしていても全員がAGAを発症するわけではありません。もちろん、これらの項目はAGA改善のおおきなヒントになることは間違いないのですが、根本部分の『なぜ発症する人としない人がいるのか？』という部分が問題です。

AGA（男性型脱毛症）の原因

男性ホルモンの影響

現在、頭髪脱毛を引き起こす理由は活性型男性ホルモン（DHT）の分泌とホルモン受容体との結合が要因だとわかっています。このDHT（ジヒドロテストステロン）と呼ばれるホルモンは男性の骨格や筋肉を作る大切なホルモンでもあるのですが、分泌過多によって頭髪脱毛を引き起こすホルモン受容体（アンドロゲンレセプター）との結合が始まり、一気に薄毛化が進むのです。

上図にはホルモン受容体（アンドロゲンレセプター）との結合図解がありませんが、そもそもDHTの分泌過多が薄毛発症の最大ファクターであり、DHTが発毛のサイクルに最も悪影響を与える物質であると考えられています。

図でもわかるように、『テストステロン⇒5αリダクターゼ⇒DHT』という流れで、本来髪を太くするホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼという還元酵素によって変換されてDHTが生み出されてしまい、髪の成長を妨げます。

頭皮毛根部分への血流悪化

髪は毛根から受ける血液から酸素や栄養を吸収して成長していきます。しかし、偏食化し不規則となる食事や運動不足、睡眠不足によって頸動脈から首の上に押し上がる血流が弱まると、頭皮体温が下がり、毛根は十分な栄養を受け取れなくなります。

また、糖尿病、高血圧や動脈硬化によって毛細血管の柔軟性が不十分であれば、尚更この傾向が強くなります。近年は20代でもこのような病気予備軍の方が多数存在し、男性ホルモンが活性化している状況であれば一気にAGAを悪化させてしまいます。

遺伝要素

これは『親がハゲているから自分もハゲる！』と思う方が多いのですが、誤解が多く一概にそうとは言い切れません。遺伝要素はありますが、ハゲが遺伝するのではなくホルモン代謝バランスが親から子へ遺伝する可能性があるということです。

例えばガン家系の子孫が全員ガンにかかるわけではないのと同様です。必ず発症しないが発症リスクがあると考えればいいと思います。

参考までに父親が薄毛の場合は子の2分の1が薄毛になり、母方の祖父が薄毛の場合3分の1が薄毛になるというデータがあります。DHT生成能力が優性遺伝されるということです。しかし、AGA発症しても適切な治療でDHT生成を抑えることができますので悲観することはありません。

髪の生成に必要な栄養素の不足

髪は毛根の栄養供給によって生成されるタンパク質ですので、ビタミンや関連栄養素が不足すると毛根そのものが弱ります。髪を生成するための栄養をしっかりと確保しなければ生成能力が落ちるだけでなく、皮脂などの影響で頭皮がかぶれたり細菌によって炎症を起こしやすくなります。

髪に必要な栄養は身体にも必要なものですので、発毛に必要な栄養素を確実に摂取する必要があります。

髪のトータルケアを心掛ける

AGAは脱毛男性ホルモンによって引き起こされるものですが、脱毛ホルモンのコントロールだけでは効果的ではなく、ここまで挙げた発毛に関連する施術をトータルにおこなう必要があります。

脱毛がスタートしてしまうとその他のマイナス要因を導いて薄毛化を加速させるためです。そのため、改善にはホルモン治療だけでは時間がかかったり、思った効果がでないことがありますので適切に対処しましょう。