市販育毛剤の発毛効果は眉唾もの?
市販育毛剤がドラッグストアに多数並ぶ今日ですが、多くの市販育毛剤は本来『髪を生やす』目的で販売されていない事実があります。『医薬品』と『医薬部外品』というカテゴリーに選別されるのです。
厚生労働省が定める薬品認可方法に沿って販売が許可されるため、治療目的と予防目的に効能が別れるのです。すべての市販育毛剤が『必ずしも発毛効果を持っていない』という知識が必要です。
市販育毛剤の効能目的について
一般的に医療現場で処方される薬品からドラッグストアで購入できる薬品まで、薬事法という法律に基づいて処方や販売が認可されています。
◆薬事法条文引用
「この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、医療上特にその必要性が高い医薬品及び医療用具の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。」
主に「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療器具」の安全性と身体への有効性を確保するための法律ということです。そして、市販育毛剤では「医薬品」と「医薬部外品」が存在します。まずはこれらのカテゴリーについて知りましょう。
医薬品とは
医薬品とは、文字通り病院で医師が処方してくれる薬品や、ドラッグストアで販売されている風邪薬や頭痛薬などが当てはまります。配合されている有効成分の効果が認められており、病気の治療に使われる薬品を指すというものです。
テレビCMでも「用法・用量を守って正しくお使いください」という文言にも示されるように、体に作用する有効成分が入っているため、使う場合には使用方法を守ることを定められた薬品ということです。
薬事法における医薬品の定義
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医薬部外品とは
病気を治療し平癒する医薬品の効能が認められていない医薬品に準ずるものです。
一定の効果や効能が認められた成分の配合があっても、積極的に病気やケガなどを治療する目的ではなく、予防に重点を置かれたものという扱いになります。そのため効果が必ず認められるというものではなく、効果が期待できるという範囲の解釈になります。
医薬品は『効能・効果』が明確に表示されているのに対し、医薬部外品の多くは単に「医薬部外品」とあるだけで、配合された成分がわからず、どんな効果が期待できると認められているのかは表示義務がありません。
薬事法における医薬部外品の定義
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市販育毛剤の選定方法
このように何気なく販売されている育毛剤には『薬品カテゴリー』があり、そもそもの効能や効果がすべて同じではありません。実は日本において育毛剤の医薬品カテゴリーが登場したのはごく最近の話で、ほとんどの育毛剤は医薬部外品の扱いとなっている事実は変わっていません。
そして、現状では販売認可が降りている育毛剤は数十種類にのぼりますが、医薬品認可を受けているものは数種類しかありません。
すなわち『薄毛の予防』が大前提となっている育毛剤がドラッグストアに並んでいるということなのです。
ただし、『医薬品だから必ず効果が出る』『医薬部外品なのでまったく意味が無い』とは言い切れません。
例えば、医薬品でも『発毛効果』で認可を取っているものはなく、『毛根血管の血流増加』といったものが中心です。毛根への栄養供給は発毛に重要ですが、これのみですべてが改善されることは難しいという現実があります。
また、厚生労働省が定める薬事法の定義が現在の薬品開発や効能に対応しきれない部分もあり、効果があるが医薬品認可が取れないといった背景で医薬部外品として販売されているものも存在します。(※ドラッグストアではほとんど見かけません)
基本概念として『育毛剤は他の治療と平行しておこなっていくもの』という認識を持ち、育毛剤を選ぶ際には商品ラベルで『医薬品』『医薬部外品』をチェックして効能を理解する習慣をつけていくことが重要です。
近年の医薬部外品育毛剤認識の変化
1999年の発毛医薬品「リアップ」販売開始以降、それまでの薄毛予防を前提とした医薬部外品育毛剤の存在価値は大きく変わりました。それは、リアップの主成分であるミノキシジルの発毛効果がAGA医療でも認識され、予防は意味をなさなくなったためです。
髪を育毛剤で本格的に増やすことが可能となり存在価値そのものが変わったのです。
このためにドラッグストアに並んだ多くの医薬部外品育毛剤は、年月の流れとともに次々と姿を消しています。そして、発毛に有効な成分の研究が本格化し、医薬品とは異なる作用の発毛効果実現へと医薬部外品育毛剤の存在位置がシフトしています。
具体的には野草などの人体に有効な天然成分組成から化学的な高い発毛力を持つ成分の研究が本格化したのです。
以前は一定の発毛効果が得られることを謳うためには、医薬品としての認定がなければ販売が不可能という薬事法の観点からの認識が強くありました。このために「予防」を前提としなければならなかったわけです。
しかし現在は、薬品の認識から離れた野草抽出成分などから高い発毛力を得られる時代になっています。つまり、発毛効果は薬品前提ではない医薬部外品にも当てはめられる状態に変わっています。
このために薬事カテゴリーが必ずしも的確とは言えず、薬品組成ではないながらも臨床効果が得られる育毛剤が医薬部外品カテゴリーに属すると考えてもあながち間違いではない状況なのです。
進化した故に存在位置が曖昧になっているのです。
発毛効果の高い医薬部外品育毛剤がドラッグストアにない理由
お気づきかもしれませんが、世の中に多数の育毛剤があるなかで薬局やドラッグストアに並んでいるものは僅かです。それも並んでいるのはご存知のとおり「気休め」というレベルの製品が大半です。
前項でお話したような発毛効果の高い医薬部外品育毛剤のほとんどがインターネット販売に特化していますが、実はこれにはしっかりとした理由があるのです。
◆1,全国のドラッグストアに流通させる莫大な費用
◆2,全国的に販売促進を促す莫大な広告費用
このように通常ドラッグストアに並ぶ製品の流通には莫大な経費が発生し、製品認知のために積極的なCMや広告がおこなわれていきます。
具体例で見てみましょう。例えば「サクセス」という育毛トニック製品がありますね。
イメージキャラクターに髪が豊かな俳優を起用し、TVCMや雑誌広告だけでなく電車の中吊り広告で車両を広告ジャックするということもザラにあります。
これで圧倒的に製品知名度を上げて全国のドラッグストアで購入率を上昇させるわけですが、この手法が可能なのは潤沢に資金がある巨大企業のみです。
サクセスは大手メーカー花王の製品ですのでこの手法が可能ですが、経費を考えてみた場合広告費用だけで数億円以上の資金が必要となります。さらに全国に流通させる輸送費用も莫大です。
ネット専売製品は、ここで想定される発生費用をすべて研究開発費に廻しているのです。
現在専門的にも評価の高い医薬部外品育毛剤の場合は、経費が低く費用対効果の高いネット広告を利用してアピールし、製品発送元をすべて自社工場に一元化することによって流通コストも抑えています。
そして重点的に製品開発費へと資金を廻しているのです。これにより製品クオリティをとんでもなく引き上げることに成功しています。
また、ドラッグストアに並ぶ製品の多くは巨大企業であるために公正取引委員会の監査が厳しく、薬事法の規定を限界以上まで尊守する傾向が強いために、積極的な製品開発や内容変更が容易ではありません。
それを証明するようにサクセスでも医薬部外品の旧態然とした「抜け毛予防」がアピールされており、ネット専売製品のような革新的作用を持つ製品へと転化させることが難しい背景があるのです。
育毛剤購入は情報をよく判断して
ここまでのように、現在は薬事カテゴリーが必ずしも発毛効果と比例していると言い切れない状況になっています。また、御覧いただいたように購入する場所がドラッグストアかネット通販かによってもレベルが異なってしまう現状が発生しています。
自身で的確に製品を判断できる力が必要になっているのです。
特に2014年に化粧品カテゴリーでありながら非常に高い発毛効果を発揮する「キャピキシル成分」が登場して以降この流れは特に強くなっており、競合する医薬部外品の育毛剤進化が加速の一途を辿っています。
注意していただきたいことは、ドラッグストアは不特定多数の人が商品知識のないまま購入する傾向が強いことです。このために薬事法を厳格に遵守した旧態然認識の製品が多数になってしまいます。
ネット通販製品では、販売サイトに細かな製品説明が表記された後にしか購入することができなくなっています。このために資金力豊かな大手メーカーの製品が最も進化しているとは言えないのです。
これらの知識を自己治療時の育毛剤選定基準に役立てていただきたいと思います。
最後までお読みいただき有難うございました
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